千葉HSPカウンセリングルームひだまり
■アダルトチルドレン(AC)とは
アダルトチルドレン(AC)とは幼少期の家庭環境の影響で、大人になった後も生活において困難を感じている方のことです。医学的な診断名ではありません。
本来は、1980年代にアメリカで生まれた言葉です。アルコール依存症の親によって育てられ、アルコール依存を核とする「機能不全家族」の中で子供時代を過ごして「生きづらさ」を抱えて大人になった人をさしていました。
■アダルトチルドレン(AC)の生きづらさとは
対人関係で距離間の取り方がわからない、他人からの承認がないと不安になる、自分に過剰に批判的になる、感情のコントロールが難しいなどがあります。
■アダルトチルドレン(AC)の原因とは
「機能不全家族」で幼少期を過ごしたことで、成人してからも生きづらさを感じていると考えられています。
「機能不全家族」とは家庭内で弱い立場の子供が身体的・精神的なダメージに脅かされている家庭のことです。ダメージを及ぼすものとして、支配、虐待やネグレクト(育児放棄)といった行為、貧困や家族同士の不仲、子どもに対する過剰な期待などがあります。
「機能不全家族」=「子供が安心して育つ環境が整っていない家庭」で育った子どもが、大人になってからも自己肯定感の低さなどにより、生きづらさを感じることがあります。
■一見良い家庭も機能不全家族であることも
仕事熱心な父親と、良妻賢母な母を両親のもとで育った場合
父親は経済力で子供を支配し、母親は世話を焼くことで子供を支配します。夫婦は共依存関係であることも多いのですが、子供は両親の行動を愛情と錯覚し、良い子でいなければ愛されないと判断します。そして親の期待に応えようと、一生懸命努力し、良い子であろうとします。
社会に出ても家と同じように良い子で振る舞うため、人間関係で行き詰まってしまいます。
ACの方は、家庭では親に、会社では会社や上司の期待に応えるため、一生懸命頑張ります。
ですが期待は底なしで終わりがないため、やがて疲れ果ててしまいます。
親のほうも、いつまでも子供のためと世話をし続け、子離れできないケースが多いです。
共依存的な人ほど他人の世話をする「良い人」として見られがちなのですが、世話をすることで相手を支配しています。共依存関係にある人たちは、苦しみながらも離れることができないのです。
子供は、親から自立していくことで解決の方向へ向かいますが、親子のため簡単でない場合もあります。
■アダルトチルドレン(AC)の特徴
□自分に自信がない
□嫌われたくなくて、相手を優先させてしまう
□完璧主義、0か100思考
□褒め言葉を喜べない
□人生が楽しめず、抑うつ状態である
□罪悪感が強く、自責の念を持ちやすい
□他人と親密な人間関係をもてない
□人の目が気になる
□被害妄想がある、なにか注意されたとき攻撃的になる
□恋人や上司など特定の相手に依存しやすくなる
□イヤな記憶に悩まされたり、悪夢を見たりする
□対人恐怖または引きこもりをしている
□真面目過ぎる
□自分が自分でないような感覚がある
項目のチェックが多かったからと言って、あなたのせいではありません。
幼少期の環境で生き延びるため、自分を守ってきたためです。
■HSPとアダルトチルドレン(AC)
HSPとACは非常によく似た共通点がありますが、同じものではありません。
HSPは「生まれつき持っている性格の気質」で、ACは「親から愛情を受けられなかった」「適切な環境で育ててもらえなかった」ことが原因で後天的になってしまう性格です。
ACが機能不全家族や親からの言動が原因なのに対し、HSPは必ずしも親や家庭環境に問題があるわけではありません。
しかし、HSPの人が親に特性を理解してもらえずに否定的な言葉を掛けられてしまうことによって、ACのような心性を持ち合わせてしまうこともあります。
■HSPでアダルトチルドレンの方の場合の療法
1カウンセリング
2常に一生懸命頑張るのを止める
3認知行動療法で、認知の歪みを修正する
4過去の自分を癒す
などが挙げられます。